ヤマハ グランドアクシス レストアの記録 ACT4【キックペダルの不具合】

グラアク レストアACT4のタイトル画像

こんにちは、テラです。

2018年にゆずり受けてから一度直しかけて挫折したヤマハ グランドアクシスですが、前回では綺麗になったキャブレターとエアクリーナーを取り付けて、あっけなく一発でエンジンが掛かってくれました。

安心したのも束の間・・・。クランクケース内から金属音が聞こえてきたので、その音の原因をチェックするとキックペダルがほとんど戻らない上に振動で下がっていきます。

キックペダルの不具合を直して、何個か周辺パーツを新しいものに交換することが今回のミッションです!

作業する僕は、整備の資格や仕事の経験がない普通のバイク好きですので、記事を参考に作業をされる場合は自己責任でお願いいたします。

グラアク 序章タイトルの画像

【グランドアクシス レストアの記録】キックペダルの不具合をチェック

キックスターターの画像

キックペダルの不具合=クランクケース内のキックスターターの不具合となります。

写真を撮るのを忘れていてこちらはすでに完成画像ですが、クランクケースカバーを外してキックスターターをチェックするとすぐに原因がわかりました・・・。

トーションスプリングというバネが二か所の丸のところで引っかかってないとダメなのに全く引っかかっていなかったのです。ここが固定されていないからキックペダルが振動で下がってきちゃうんですね~。

テラ

な~んだ、簡単じゃーん♪

よゆうをぶっこいて作業し始めたのですが、引っかけようとしてもどうしても右側の丸の部分がキックシャフトの下に潜りこんでしまってどうにもこうにもまいっちんぐ・・・。

トーションスプリングの断面図イラスト

どうやら画像右側の丸の箇所は本当なら90度に折れ曲がっているべきなのに45度くらいに開いてしまってるんです。なので引っかからずに潜り込んでしまうのでした・・・。

キックスターターを分解して組み直す

キックスターター分解図の画像

まずトーションスプリングを90度に修正するためにキックスターターを分解します。キックシャフトはサークリップという止め輪で固定されているだけですが、専用工具があると簡単です!

スナップリングプライヤー

スナップリングプライヤーの画像

サークリップの付け外しに使う専用工具です。持ち手が黄色のほうはにぎると先が開き(軸用)、赤いほうはにぎると閉じます(穴用)。今回使うのは固定先がシャフト(軸)なので持ち手が黄色いほうです。

スナップリングプライヤーの先端とサークリップの画像

プライヤーの先端は凸型になっていてサークリップの穴に刺して簡単に広げたり縮めたりできます。マニアックな工具で出番が少ないけどめちゃくちゃ便利です!

テラ

今は軸、穴兼用の便利で安価なスナップリングプライヤーがありますよ。

サークリップを外してキックシャフトを引き抜いて分解します。ここは特に難しいことはありませんが、サークリップの下にあるワッシャーを無くさないように注意です。

トーションスプリングの組み付け

トーションスプリング取付説明画像

トーションスプリングの開きを90度に修正して元通りに組み直します。

作業台のイラスト

キックシャフトが逃げられるように台を使うと作業しやすいです。

サービスマニュアルの図では簡単そうですが、これがなかなか難しい!スプリングを引っかけるだけなのに30分くらいかかりめちゃくちゃ苦戦しました・・・。

サービスマニュアル一番上の図

キックシャフトを少し浮かせる】とありますが少しどころではなく、トーションスプリングの厚み分浮かせなければフック部分を引っ張ってこられません。

浮かせ過ぎるとトーションスプリングの端面①が外れてしまうので注意です!

サービスマニュアル真ん中の図

サービスマニュアル真ん中の図

キックシャフトが回転しないように固定】とありますがここは図の赤丸のところで固定されます。きちんと固定された場合、壁の上部分とギア部分がフラットになるのですがフック部を引っ張っているので緑丸の巻いてあるスプリングのどこかしらがキックシャフトと噛んでしまいきちんとハメるのに苦労します。

フック部を引っ張りつつ、キックシャフトをハメつつ、噛んでる部分を外しつつ固定する感じです(笑)。

とてもじゃないけど図のように両手を使ってフック部を引っ張るなんてムリでした・・・。

僕は左手でフック部に引っかけてる針金を引っ張り、右足でキックシャフトを下に押しつつ、右手でマイナスドライバーを使って噛んでる部分を外して固定させることができました。

テラ

うまく引っかかったときは涙がちょちょぎれそうでしたよ・・・。

クランクケースカバーガスケットの交換

クランクケースカバーガスケットを剥がしている画像

キックスターターを直したクランクケースカバーを元通り付けなおしますが、その前に古いクランクケースカバーガスケットを剥がします。

2018年の修理の時、プーリー交換で破れてしまったのですが手抜きでそのままにしてました。キレイに取り除き新しいガスケットを付けます。

用意したパーツ

  • クランクケースカバーガスケットセット  【5DA-E5451-00】デイトナ
クランクケースカバーガスケットセットの画僧

元通り戻しながら周辺パーツを交換

クランクケースカバーの取り付けナットを新品にした画像
ボルトソケット

キックスターターも直りガスケットも付けたのでクランクケースカバーを取り付けます。そのついでに錆びや腐食で茶色や白く汚くなっているボルトを新品に交換しました。

テラ

この上に樹脂カバーが付いてしまうので気休めですが自己満足です。

ワイヤコントロールの画像
ワイヤコントロール

これはGロックワイヤーといって車でいうパーキングブレーキの役割をするワイヤーです。まだ使えそうだったのですが保護部分の黒い樹脂が劣化してボロボロだったので交換しました。

用意したパーツ

  • ボルトソケット  【91316-06025】ヤマハ純正
  • ワイヤコントロール【5FA-F637E-01】ヤマハ純正

もとどおり取り付け直して再確認です。キックを踏み込むとちゃんとキックペダルが戻ってきます!
アイドリングの振動でも下がってこないのでバッチリです!

Gロックワイヤーもちゃんとロックして問題ありませんでした。今回のミッションはこれでクリアーです!簡単そうに思えたけどなかなか苦戦したミッションでした・・・トホホ。

今回新たに購入したパーツの価格と購入先

メーカー商品価格購入先
デイトナクランクケースカバーガスケットセット【5DA-E5451-00】1390円モノタロウ
ヤマハ純正ボルトソケット×9本【91316-06025】(@55円)495円
モノタロウ
ヤマハ純正ワイヤコントロール【5FA-F637E-01】2280円モノタロウ
小計4165円
*購入時の価格ですので変動する場合があります

今回までのレストア累計

前回(770円) + 今回(4165円) = 4935円

まとめ

今回のミッションであるキックペダルの不具合はトーションスプリングが外れたことによるものでした。大変だったけど無事に直せてミッションを達成できました!

ボロボロになったガスケットやGロックワイヤー、クランクケースカバーのボルトも新品に交換できて満足です。

エンジン回りはこれでもう安心です。あとはもう仕上げに向かうのみ!

テラ

次回は外装をキレイにしていきます!